実践ログ

Claude Code Skillsとは?会社の仕事を「スキル」にして教え直しをなくす全手順|15個を実運用する記録

公開 2026-08-09約8分で読めます

Claude Code の Skills は、名前のせいで開発者向けの機能に見えます。 実際、検索して出てくる解説のほとんどはコード生成の文脈です。ところが、うちで一番効いたのはコードとまったく関係のない場所でした——応募文、営業リスト、請求書、議事録。つまり、毎回同じ説明を書いていた業務です。

CLAUDE.mdに会社のルールを書くところまでは、以前に書きました。会社の前提——うちは何の会社か、誰が社長か、数字は捏造しない——をファイルに置いておけば、毎回説明せずに済む。ここまでは想像がつきます。

それでも「また同じ説明をしている」は消えませんでした。

CLAUDE.mdでは消えなかったもの

残ったのは、前提ではなく手順でした。

「応募文は800字で、実績カードから2枚選んで、最後に橋渡しの一文を入れて」。この指示を、応募のたびに書いていました。CLAUDE.mdに書けばいいと思われるかもしれません。ただ、CLAUDE.mdは毎回まるごと読み込まれるファイルです。営業もマーケも経理も全部の手順をそこに書くと、記事を1本書くだけのときにも請求書の手順を読むことになります。

手順は、必要なときだけ開かれてほしい。この一点がSkillsの存在理由でした。

CLAUDE.mdSkills
読まれるタイミング毎回、必ず全文関連する依頼のときだけ
書くもの会社の前提・禁止事項・全体の地図特定の仕事の手順と判断基準
分量の上限短いほどよい(毎回のコストになる)長くてよい(開かれる回数が少ない)
増やすと全部の作業が重くなる重くならない

この違いが分かると、置き場所の判断が一気に楽になります。「どの仕事にも効くならCLAUDE.md、特定の仕事にだけ効くならSkills」。うちはこの一行で切り分けています。

実際に動いている15個

現在うちで動いているスキルは15個です。部署ごとに並べるとこうなります。

部署スキルやること
秘書室morning-brief / notion-task-add / notion-minutes-add / session-title-refresh朝の段取り、タスク登録、議事録のDB登録
営業部hipro-scout / gig-application新着案件の巡回、応募文の作成
開拓部sales-prospect-list実在確認済みの営業リスト作成
制作部slide-design / milky-article / milky-owner-tasks提案資料のデザイン、クライアント記事
マーケティング部rescale-blog / youtube-manager自社ブログ、YouTubeの企画・台本
カスタマーサクセス部customer-successオンボーディング、顧問の進行
管理部finance-accounting見積・請求のドラフト、経費記録
新規事業部venture-factory事業アイデアの審査・検証

加えて、頻繁に呼ぶ組み合わせを短縮したスラッシュコマンドが9本(/apply『応募一式』、/mail『客先メールの下書き』など)と、大量に読んで短く返す調査役のサブエージェントが3体あります。

並べると立派に見えますが、この15個は一度に作ったものではありません。同じ説明を3回書いた時点で1個作る、を繰り返しただけです。順番も計画していません。応募が続いた週は営業のスキルが増え、納品が続いた週は制作のスキルが増えました。

作り方は4ステップしかない

スキルの実体は、~/.claude/skills/<名前>/SKILL.md というMarkdownファイル1枚です。冒頭に名前と説明を書き、あとは手順を日本語で書く。それだけです。実際に使っている応募文のスキルなら、こういう中身になります。

場所書いてあるもの
1行目name: gig-application(スキルの名前)
2行目description: サンカク・HiPro等に送る応募文を作成する。「サンカクの応募文」「この案件に応募したい」といった依頼で使う。
3行目以降応募文の作成手順。ただの日本語の文章で、特別な書式はありません

プログラムではないので、書けるのは「文章として説明できること」だけです。逆に言えば、人に引き継ぐ手順書が書けるなら、そのまま1個作れます。

作るときの順番はこうしています。

  1. 直近で3回書いた指示を、そのままコピーする。 ゼロから書こうとすると手が止まります
  2. 迷いどころを表にする。 「800字か400字か」「実績カードをどれにするか」——判断が分かれる場所だけ表で書き切る
  3. descriptionに"呼ばれ方"を書く。 ここが一番重要で、後述します
  4. 1回使って、間違えたところを直す。 完成させてから使うのではなく、使いながら直す

3番だけ補足が要ります。description は「何をするスキルか」ではなく「どんな言い方で頼まれたときに開くか」を書く欄です。うちも最初は「応募文を作成するスキル」とだけ書いていて、まったく呼ばれませんでした。「サンカクの応募文」「この案件に応募したい」という実際に自分が使う言い回しを並べてから、狙いどおりに開くようになりました。

分量は、22行から488行まで開いた

作る前は「1個あたりどれくらい書けばいいのか」が一番分かりませんでした。実測はこうです。

スキル行数性格
session-title-refresh22行やることが1つだけ
rescale-blog(この記事もこれで書いています)54行方針とトンマナが中心
notion-task-add78行手順+登録先の指定
gig-application188行判断が分かれる場所が多い
slide-design488行配色・レイアウト・図解の型まで持つ

中央値は87行でした。原稿用紙にして2枚強です。この数字を先に知っていれば、うちも最初の1個を書くのに悩まずに済んだはずです。

長くなりすぎたスキルは、参照ファイルに逃がします。gig-application は本体188行のほかに references/achievements.md(実績カードの一覧)を持っていて、本体からはそこを見るよう指示するだけにしています。営業リストのスキルも同じ構造で、判定基準のプリセットを別ファイルに置いています。本体は判断を書く場所、referencesは事実を置く場所、という分け方です。

事実を別ファイルにしておくと、実績が増えたときに直す場所が1箇所で済みます。これは効きました。

増やすほど良いのか

ここが、正直まだ答えを出せていないところです。

15個まで増やしたことで、明らかに速くなった実感はあります。一方で、似た名前のスキルが2つあると呼び分けを間違えることも起きました。うちで実際に起きた失敗を3つ挙げます。

① 似たスキルを2つ作ってしまった。 自社ブログとクライアント記事で別々のスキルを作ったところ、どちらを使うべきかが曖昧になりました。今はお互いの description に「クライアント記事は milky-article が担当(混同しない)」と相手の名前を明記して排他にしています。

② やったことのない仕事をスキルにした。 これが一番まずい失敗でした。判断基準が空のまま手順だけが書かれているので、それらしい嘘が量産されます。実績が2〜3回たまってから作る、を後からルールにしました。

③ 数字を本体に直接書いた。 実績の件数をスキル本体に書いてしまい、更新のたびに複数のファイルを探すことになりました。今は「同じ数値を2箇所以上に直書きしない」を全社ルールにしています。

3つとも、共通しているのは「先回りして作った」ことです。

最初の1個をどこから作るか

これから作るなら、今週すでに2回書いた指示を探すところから始めるのが一番速いはずです。営業でも経理でも記事でも構いません。うちの15個も、全部そこから始まっています。

作る順番として迷うなら、Claude Codeでできる業務一覧に業務カテゴリ別の整理があります。会社の前提そのものがまだファイルになっていない場合は、Skillsより先にCLAUDE.mdを書くほうが効きます。役割の設計から入りたい場合はAI社員のつくり方が入口になります。

冒頭の問いに戻ります。Skillsは開発者向けの機能なのか。機能としてはそうです。ただ、うちで一番働いているスキルは、コードを1行も書きません。

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この記事は2026-08-09時点の情報です。Claude Codeの仕様・料金は変わることがあります。